アップライトピアノってどんな楽器?サイズや重さ、おすすめ機種や中古価格の相場も紹介

アップライトピアノという名前は聞いたことがあるけれど、実際にどんなピアノのことなのか詳しくはわからないという方もいるのではないでしょうか。アップライトピアノとはどんな楽器なのか、そのおすすめ機種や中古価格相場までご紹介します。

アップライトピアノとは?

アップライトピアノはグランドピアノと同じアコースティックピアノの一種です。鍵盤を弾く力の強さによって音の強弱をつけることができるため、表現力豊かな演奏が可能なピアノといえます。ピアノの弦が縦に張られているため奥行きが短く、壁にピアノの背面を向けて置くことができることからそれほど置き場所を取りません。

グランドピアノとの違いは?

グランドピアノは、弦が地面と水平に張られているピアノです。弦が横に伸びているため奥行きがあり、設置にはアップライトピアノよりも広い場所が必要になるでしょう。グランドピアノは鍵盤を弾いたときに「てこ」の原理でハンマーが弦を叩いて音が出るのですが、アップライトピアノは弦が縦に張られているためハンマーの動きが少し複雑です。そのため、鍵盤を弾いてからハンマーが戻るまでの時間が少し長く、1秒間の連打可能数は7回程度とグランドピアノより少なくなっています。

グランドピアノってどんな楽器?重さやサイズ・おすすめメーカーもご紹介

実はアップライトピアノの方が先に作られ始めた?

現在のピアノは、チェンバロと呼ばれる弦楽器から誕生したといわれています。ピアノは1700年頃にクリストフォリがチェンバロを改良して作り出したといわれています。
最古のピアノは「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(音に強弱をつけられるチェンバロ)」といわれ、その後さまざまな改良が進んでいきます。1821年にはフランスのピエール・エラールによって大音量で連打が可能など、コンサートホールで演奏できるグランドピアノの機能が搭載されたピアノが作られました。

アップライトピアノの魅力

アップライトピアノは鍵盤を弾く力で音量に強弱をつけられるので、表現力豊かに演奏することができます。軽快なスタッカートやなめらかなレガートなどを弾く時の腕や手首の使い方、バランスよく和音が出せるような弾き方の練習をすることが可能です。
また、奥行きがないためグランドピアノよりも置き場所をとりません。本格的なアコースティックピアノながら低価格で購入できるところなどさまざまな魅力があります。

アップライトピアノの重さ

ピアノは一人で運ぶことができないとても重い楽器です。アップライトピアノはグランドピアノよりは軽いですが、その重さは200キロ以上はあるといわれています。自宅にピアノを置く場合にどのような注意点があるか、事前に確認しておく必要があるでしょう。

アップライトピアノの重さは200キロから300キロ弱

アップライトピアノの重さは、約200キロ~300キロ弱あります。一般的な大きさのアップライトピアノは主に230キロ~250キロ程ですが、小さいピアノは200キロ程度、大きいピアノでは約300キロ程の重さがあります。アップライトピアノの種類によっても重さは100キロほど違いがあるので、ピアノの選び方で重さを軽減させることができるでしょう。

軽いアップライトピアノの種類

アップライトピアノには、本来の大きさといわれる高さ131センチ、重さが260キロ程のピアノのほかに、サイズが小さく軽量な小型ピアノ、さらに軽量化されたスピネットピアノがあります。超小型のスピネットピアノは高さが約115センチ、重さが200キロ程で、音が響きすぎないため自宅用として人気です。一般的に普及しているピアノは、高さが約122センチ、重さが220キロ程の小型タイプといえるでしょう。音がよく響き、ピアノレッスンにも使いやすいスタンダードモデルとして幅広い方から人気があります。

設置時には床の補強が必要になる?

アップライトピアノの重さは200キロ~300キロほどです。そのためピアノの重さは、大体70kgほどの男性3~4人の体重程度といえるでしょう。一般的な一軒家やマンションの場合、床が抜けるなどの重大な問題は生じません。アップライトピアノは4本の足で重さを支えているので、足1本で約80キロ、足2本には約160キロの重さがかかります。建築基準法では、在来工法の建築物は1㎡約180キロまでの重さに耐えられるよう定められているので、設計上でも問題はありません。

アップライトピアノのサイズ

アップライトピアノのサイズには、高さ、奥行、幅があります。アップライトピアノは縦に弦が張られているので、背が高いものほど弦が長くなって良く響く大きな音が出せるようになります。奥行と幅はピアノサイズが変わってもそれほど大きさが変わりません。

基本的には150センチ前後×60センチ前後の大きさ

アップライトピアノにはさまざまな種類がありますが、ピアノの横幅と奥行きは150センチ前後と60センチ前後でほとんど変わりません。アップライトピアノの鍵盤数は88と決まっていて、どのピアノでも幅は鍵盤の大きさを基準にしています。またアップライトピアノの奥行きは、小さいピアノで約50センチ、大きいピアノでも70センチ程と、ほぼ60センチ程度の大きさのため、畳1畳分のスペースがあれば置くことが可能です。演奏をするときにはピアノの前に椅子を置くので、それを含めて設置場所を決めるといいでしょう。

小さいアップライトピアノの代表機種

小さなアップライトピアノには、高さが約115センチ、幅が約150センチ、奥行きは約55センチ程のスピネットピアノがあります。メーカーによってサイズに多少違いはありますが、高さや奥行きなどを最小限の大きさに抑えて、かなり軽量化されたピアノといえるでしょう。アコースティックピアノとしてちゃんと練習ができ、インテリア性の高さから人気です。

生活空間の中に馴染ませるアップライトピアノ用のカバー

アップライトピアノをインテリアに馴染ませることができるなどのメリットがあり、購入時に付属品として付いてくる場合もあることなどから、ピアノカバーを当たり前のように使用している方も多いかもしれません。ピアノカバーにはほこり除けなどのメリットもありますが、カバーのつけっぱなしには注意が必要です。

そもそもピアノカバーは必要?

汚れやほこりからピアノを守るためにピアノカバーを使用している方は多いのではないでしょうか。アップライトピアノ用のカバーにはさまざまな種類があり、種類ごとに目的も異なります。天板部分に被せるトップカバーには、天板部分のほこり除けとメトロノーム等を乗せた時の傷防止などの目的があります。ピアノ全体を覆うオールカバーは長期間使用しない時などの傷やほこり除け、ピアノの鍵盤部分まで覆うハーフカバーは、天板から鍵盤、蓋までのほこりを防ぐことにつながるでしょう。
ところが、ピアノカバーを何年もかけっぱなしにするとピアノ内部の空気循環が悪くなり、カビやサビの原因になることもあるため、カバー使用時にはピアノの管理にも注意が必要です。

ヤマハやカワイなどのメーカー品も多数販売されている

アップライトピアノのピアノカバーは、ピアノメーカーからもたくさんの種類が販売されています。ピアノカバーを使用するとほこりや傷除けになりピアノが上品で華やかに見えるなど、インテリアとしても一層楽しめるようになるでしょう。メーカー製のピアノカバーは品質とデザイン性の高さが魅力です。通気性の良い防虫素材のものやピアノのサイズにぴったりのオーダーメイドのもの、椅子カバーと同柄を購入できるものもあり、好みに合うものを購入できます。

代表的なアップライトピアノのメーカー:ヤマハ

ヤマハは世界シェアトップの人気ピアノメーカーです。オルガン、アップライトピアノ、グランドピアノなどさまざまなピアノを製造していて、その音色の素晴らしさには定評があります。ヤマハは1900年にアップライトピアノを日本で初めて製造したメーカーでもあり、最先端の音響実験室を設立して常にピアノ製造の研究を重ねてきました。1965年にアップライトピアノ専門の組み立て工場が掛川に完成してからは高い品質のピアノを大量に生産することが可能になり、ピアノ生産台数世界一のメーカーとして現在も高い人気を維持しています。

ヤマハのおすすめの機種

ヤマハには初心者向けの入門モデルや誰もが使いやすいスタンダードモデル、ワンランク上の上位モデルなどさまざまなアップライトピアノがあります。なかでもおすすめの機種は、高い人気を誇るスタンダードモデルの「YU11」です。121H×153W×61Dのコンパクトタイプですが、ヤマハピアノの美しい音色が楽しめるでしょう。ハイクラスモデルでのおすすめは「YUS5」です。131H×152W×65D、253キロの大きなサイズで深く豊かな音色が出せます。鍵盤の質感もグランドピアノに近く、本番に近い形で練習できるモデルといえるでしょう。

代表的なアップライトピアノのメーカー:カワイ

「日本のピアノの父」河合小市氏が創業した会社がカワイです。カワイは創業から90年以上続く歴史と伝統のあるピアノメーカーで、ヤマハに続くピアノの世界シェア2位を誇っています。丁寧な手作業を重視した製造工程が特徴で、昔ながらの技術を活かして高品質の深い音を楽しめるピアノが作られているといえるでしょう。カワイピアノはショパンコンクールなど多くの国際ピアノコンクールに使用される公式ピアノにも認定されていて、世界のトップレベルの音色に選ばれたピアノメーカーといえます。

カワイのおすすめの機種

カワイのアップライトピアノでおすすめの機種はスタンダードモデルの「K-400」です。K-400は122H×149W×61D、230キロのサイズでグランドピアノと同じ譜面台の仕様となっています。譜面台の高さが同じためグランドピアノを弾く感覚で演奏でき、自宅での練習用ピアノに最適といえるでしょう。さらに「Kシリーズ」は長い鍵盤を採用しているため、フォルテシモやピアニシモなどの繊細な表現が演奏しやすいところもポイントです。演奏の幅を広げることが可能なピアノといえます。

そのほか代表的なアップライトピアノのメーカーをご紹介

代表的なアップライトピアノのメーカーには、スタインウェイやザウター、ホフマンなどさまざまなメーカーがあります。高級ブランドとして有名なピアノや低価格でも高い品質のピアノなどそれぞれ特徴が異なりますが、代表的なアップライトピアノのメーカーをご紹介します。

※アップライトピアノの情報のみに特化した内容をご執筆ください

スタインウェイ

ドイツのスタインウェイは世界最高峰のピアノメーカーです。グランドピアノと同じ工場で同じ素材を使用したアップライトピアノが、高い技術を持つ職人の手作業によって一つひとつ製造されています。

ベーゼンドルファー

ペーゼンドルファーのアップライトピアノは「アップライトピアノの最高峰」と呼ばれ、表現力豊かな演奏を可能にするといわれています。グランドピアノの製造ノウハウを活かし、グランドピアノのような深い音を出せるアップライトピアノとしても有名です。

ベヒシュタイン

「キング・オブ・アップライト」と呼ばれているのがベヒシュタインのアップライトピアノです。マイスターによって作られたアップライトピアノは音の響きや立ち上がりが素晴らしいなどさまざまな魅力があふれるピアノとして高い人気があります。

ボストン

世界最高峰のピアノメーカースタインウェイのセカンドブランドが「ボストン」です。小さめのグランドピアノよりも大きな響板を備えているため、豊かな音量や伸びやかな音が出せるといわれています。

ディアパソン

ディアパソンピアノは「日本ピアノ界の至宝」と呼ばれた大橋幡岩がベヒシュタインピアノをモデルに設計したピアノです。現在はカワイの1ブランドとして、こだわりの素材を使用して透明感のある音と弾き心地を実現したアップライトピアノが引き継がれています。

アポロ

東洋ピアノ製造によるピアノブランド「アポロ」では、1秒間の打弦可能回数が13回のSSS(スライドソフトシステム)が搭載されたアップライトピアノや、特殊デザインのプリンセスシリーズ、オーダーメイドのピアノなどが作られています。高い技術で幅広いアップライトピアノ製作に対応しているメーカーです。

シンメル

ドイツ最大のピアノメーカーがシンメルです。優れた音とボリュームを出せる小型のアップライトピアノが特徴で、デザイン性が高くインテリアとしても魅力のアップライトピアノが作られています。

シュベスター

1929年に創業した、日本の老舗ピアノメーカーがシュベスタ―です。職人による手作りの部品を使用した手作りのピアノのため、新品のアップライトピアノは100万円以上の価格がします。好みに合わせた特別注文もできるため、自分だけのピアノを手に入れることができるでしょう。

フリッツクーラー

フリッツクーラーは東洋ピアノの高級モデルとして販売されていたブランドです。現在では生産中止となっていますが、グランドピアノのような迫力ある音や響き、反応の良さに定評があります。贅沢仕様のアップライトピアノとして、新品よりも人気が高い場合もあるでしょう。

オオハシ

「和製ベヒシュタイン」と呼ばれるピアノがオオハシブランドのピアノです。採算度外視で作られた天才職人の手によるハンドメイドのアップライトピアノは非常に数が少なく、4939台しか生産されていません。透明感があり温かい音色、弾き心地の良さが魅力ですが、現在では「幻のピアノ」として中古でしか手に入れることができません。

クロイツェル

ヨーロッパ産の厳選した素材を使用し、技術者と職人の手による高度な技で作り上げたピアノがクロイツェルのアップライトピアノです。透明な響きの音色とアンティークなデザインで人気があります。

ペトロフ

ペトロフのアップライトピアノは、グランドピアノと同じ響板を使用して作られています。そのため小型サイズでも美しい響きが自慢で、特に「明るくロマンティックな音色」での演奏が可能です。

ザウター

ザウターのアップライトピアノは、グランドピアノに近い深みがあり広がりを感じさせる音色で多くの方に人気があります。さらにアクションの改良により弱打での戻りがスムーズで、グランドピアノに近い弾き方が可能になっています。

スタインベルグ

スタインベルグはドイツの老舗ピアノメーカーです。ドイツ製の響板、弦、ハンマーを使用したアップライトピアノは、コンパクトなサイズでもドイツピアノの華やかな「ブリリアントサウンド」を実現しています。

プレンバーガー

プレンバーガーのアップライトピアノは、スタインウェイでピアノマイスターを務めていたプレンバーガーが、マイスターの伝統や経験から作り出したピアノです。インドネシア工場で生産されたピアノを全品検査後、日本でさらに調整することで、高い品質のサウンドとコストパフォーマンスを両立しています。

アップライトピアノは調律などのメンテナンスが必要

アップライトピアノを使っていると、音が出なくなったり、鍵盤が重くなったりなどさまざまな問題が生じる場合があります。出なくなった音は調律により戻ることもありますが、修理する必要がないように普段から定期的にメンテナンスを行うことが必要です。

調律

「調律」とは、ピアノの弦全てをチューニングして音程を合わせる作業のことです。ピアノを使用していると徐々に弦がゆるんで音程にずれが生じるため、調律をしなければなりません。音のずれを直すための調律作業は、以下のように行われます。

  1. 中央の「ラ」の音を音叉で440~442ヘルツに合わせます
  2. オクターブを基準に1音ずつ均等に音を割り振ります
  3. ユニゾン(同音)の3本の弦を揃えます
  4. 中央のオクターブを中心に、上下にオクターブずつ正しい音を合わせていきます
  5. 全ての音にそれぞれユニゾンの調整をします

内部の掃除や鍵盤の調整

調律を依頼した時には、調律作業前に「内部の掃除」や「鍵盤の調整(整調)」作業も行われます。整調作業は鍵盤を弾いたときの高さと音の強弱、響きにも影響を与える重要な作業といえるでしょう。まずはピアノ内部を掃除してから、鍵盤の調整をします。さらに、調律後には音色を整える「整音」でピアノの音を整えて調律が完了します。

  1. ピアノの外装や鍵盤を外してから、盤面の上部や鍵盤の下などを掃除します
  2. ペダルと鍵盤の高さ、弾いたときの深さを合わせます
  3. 調律・整音作業をします

定期的な換気

アップライトピアノは、ときどきピアノ内部の空気を入れ替える必要があります。ピアノは湿気や乾燥に弱いものです。弦や鍵盤部分のピンなどは金属で作られているため、湿度が高いとサビついてしまうかもしれません。定期的にアップライトの蓋を開けることで、ピアノ内部の空気を入れ替えて湿気によるサビつきやカビを予防しましょう。
また、ピアノを置いている部屋の環境にも注意が必要です。部屋の湿度と温度が適度な状態を維持できるように、晴れた日は窓を開けて小まめに換気をしておきましょう。ピアノに適した温度は15~25度、湿度は50%程度といわれています。夏の湿気や、冬の暖房による乾燥に気をつけて、環境を管理しましょう。

アップライトピアノを新品・中古で買う場合の値段の違い

アップライトピアノは、新品と中古では価格が大きく異なります。新品では自分好みのピアノを選んで購入できますが、中古ピアノよりも価格は高額になります。新品・中古ピアノの値段の相場目安をご紹介します。

新品で買う場合の価格相場

アップライトピアノを新品で購入する場合、入門用としても人気のコンパクトモデルは約50万円以上が相場です。シンプルで標準的な性能のスタンダードモデルの相場は約70万円以上の価格で、ピアノのデザイン性から素材や音、演奏性までとことんこだわりを追求したハイスペックモデルの相場は約130万円以上の価格を目安にするといいでしょう。海外などの人気メーカーのアップライトピアノはかなり高額になり、500万円を超えるものもあります。

中古で買う場合の価格相場

中古のアップライトピアノは、メーカーや年式などによって価格が変わります。コンパクトモデルやスタンダードモデルの場合、約30万円以上の価格が相場といえます。さらに上級モデルは安いものでも約60万円の値段がつくでしょう。基本的には輸入の中古アップライトピアノが国産よりも高額になる場合が多く、スタインウェイなどの高級輸入ピアノには中古でも約200万円以上の価格がつきます。

中古のアップライトピアノを売る場合の価格相場

中古のアップライトピアノを売る場合、「ピアノのメーカー」「モデル」「年式」などで買取価格が異なります。ヤマハやカワイなどの人気メーカーの場合には、購入から20年以内であれば約20~40万円の高額査定がつくかもしれません。ただし、購入後20年以上になると約5~20万円程度になり、50年以上前のピアノは査定金額がつかない場合も多くなります。
不要なピアノは早めに手放した方が高い査定額で買い取ってもらえるでしょう。もし引っ越しやピアノを弾かなくなったなどで処分を考えている場合は、一括査定などで高く売るのがおすすめです。

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